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横浜市大外科治療学心臓血管外科 南智行

私の留学体験記

自己紹介

 皆様こんにちは。横浜市立大学医学部平成14年卒業生の南智行と申します。横浜市立大学外科治療学教室に所属しており、現在はベルギーに海外留学しております。このたび留学たよりのお話を頂きましたので、私の留学生活についてご報告致します。

留学への経緯

 もともと私は海外にあまり興味はなく、卒後もまさか海外留学することになるとは夢にも考えておりませんでした。しかし卒後10年目の2011年に欧州での国際学会に参加する機会があり、いままで欧州に一度も訪れたことがなかった私にとっては刺激的な経験でした。さらに2012年にも同じ国際学会に参加することができ、ますます、しかし漠然とではありますが海外に対する憧れを抱きました。

 丁度その頃、当教室では益田教授が以前留学されていたベルギーのルーヴァンカトリック大学との交流が開始されおり、当教室の郷田素彦先生が2010年から留学され、さらに2012年から笠間啓一郎先生が代わって留学をされていました。益田教授から次の留学者として薦めていただき、学位取得後の2015年4月より留学開始となった次第です。

留学先の紹介

ルーヴァン大学附属病院ルーヴァン大学附属病院

 ルーヴァンカトリック大学は1425年創設の伝統ある大学であり、ベルギーの首都ブリュッセルから車で30分のところにあるルーヴァンにあります。ルーヴァンには様々な場所にキャンパスがあり、街と大学が渾然一体となっており、古い町並みですが若者が当然多く、活気に溢れています。私が通っているルーヴァン大学附属病院は医学部に隣接しており、病床数1995床のベルギー国内では最大級の病院であり、欧州でも医学界をリードする病院の一つです。心臓外科はボスのDr. Meynsのもと、年間成人、小児あわせて1300例の開心術を行っています。低侵襲手術も多く、小切開やカテーテルによる弁置換、弁形成手術、DaVinciを利用した冠動脈バイパスなどを積極的に行っており、また年間30例ほどの心臓移植も行っています。

現在の仕事

実験室で同僚と実験室で同僚と

 現在、私には臨床心臓外科所属の研究員というポジションが与えられていますが、実際には週4日は病院の手術室に通って日1~2件の開心術に参加しています。手術では決して術者にはなりませんが、第一助手として多くの手術に参加できるため様々な技術や考え方を知る良い勉強となっています。残りの1日は実験に参加し、同僚の大型動物実験の手伝いをしています。私個人の研究としては、その合間にsutureless人工弁の臨床研究をさせてもらっています。こうやって書いてみると忙しそうに見えますがそうでもありません。心臓手術後の集中治療管理は完全にICUDrが管理しており、外科医が呼ばれるのは出血、ECMOの装脱着等の外科的治療が必要なときのみです。また時期によっては外科レジデントが数多くいるため、午前中の手術1件が終わればあとはフリーということもあります。

ベルギーでの生活

 私は妻、二人の娘とともにブリュッセルに住んでいます。EU本部のあるブリュッセルには多くの日本企業があり、また数多くの邦人が住んでいます。長女が通っている日本人学校は小中学生合わせて400人程度が在学しています。

 ベルギーの公用語は、北半分がオランダ語、南半分とブリュッセルがフランス語、そして東側の一部がドイツ語であり、留学先のルーヴァンはオランダ語圏であるため私はオランダ語を勉強していました(かじる程度ですが)。またオランダ語圏のほとんどの人が英語を話すことができます。一方ブリュッセルはフランス語が公用語です。もちろん英語が通じる人もいますが、中には通じない人もいるため結構苦労します。現在妻がフランス語の勉強をしているので、ブリュッセルでの生活はもっぱら妻と現地小学校に通っている次女に任せっきりの状態となっています。

 そしてベルギーといえばチョコも有名ですが、なんといってもビールです。ベルギービールの種類は主要銘柄だけで700種類以上あり、こちらの研究?もかかさず行っています。またベルギーはヨーロッパの真ん中に位置するため、各国に車で出かけることが容易です。ドイツやオランダ、フランスへ気軽に旅行することができ、家族とともにヨーロッパ文化を満喫しております。

留学について思うこと

 留学にはとにかくお金がかかります。しかし日本以外の医療、文化にじかに触れることができ、自分と家族にとって良い経験となっています。状況が許すようであるなら、1、2年回り道するくらいのつもりで海外の病院や大学に留学するのも良いのではないかと思います。

日本ベルギー友好150周年で日本がモチーフとなったグランプラスのフラワーカーペット
日本ベルギー友好150周年で日本がモチーフとなったグランプラスのフラワーカーペット

挨拶

 最後に留学の機会を与えてくださった益田宗孝教授並びに外科治療学教室の諸先生方、そして報告の機会を与えてくださった倶進会の皆様に深く感謝致します。