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心臓血管外科 先天性心臓血管奇形

完全大血管転位

通常では大動脈は左心室から、肺動脈は右心室から起始します。しかし、本症においては大動脈と肺動脈が転位していて(位置が入れ代わっていて)、大動脈(図A☆、図B☆)が右心室から、肺動脈(図A#、図B#)が左心室から起始します。
心室中隔欠損がないものを1型(図A)、心室中隔欠損があるものを2型(図B*)、心室中隔欠損と肺動脈狭窄があるものを3型、と分類します。

1型では生後まもなく動脈管(図A※)が閉じるために強いチアノーゼが見られることが多く、動脈管を開かせるプロスタグランディン製剤が必要になります。カテーテル法を用いて風船により心房中隔欠損を作成する治療(BAS)を行った後、ほとんどの症例で生後1-3週の新生児期に根治手術である大動脈スイッチ手術(図4C)を行います。
2型では心室中隔欠損(図B*)があって、心不全やチアノーゼが強い場合には生後2-4週で大動脈スイッチ手術(図C)を行います。症例によっては肺血流を減らすために肺動脈絞扼手術を行うこともあります。

大動脈スイッチ手術(図C)では、右室-肺動脈、左室-大動脈と血液が流れるように、肺動脈を旧大動脈基部(図C☆)に、大動脈を旧肺動脈基部(図C#)にそれぞれ接続します。これによって、静脈血が肺へ流れ、また動脈血が体に流れるようになります。

 

図A-C:ファロー四徴症

(文責:磯松)