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生後2ヶ月の赤ちゃんが無事退院

先天性僧帽弁奇形と左冠動脈起始異常を合併した赤ちゃん無事退院しました。

 生まれつきの僧帽弁(左心房と左心室の間にある扉)の形成異常に加え、左冠動脈肺動脈起始症(心臓を栄養する血管である冠動脈の内、左心室を主に担当する左冠動脈が大動脈ではなく、肺動脈からの起始しているため、心臓に充分な酸素が送られなくなるため心臓が弱る奇形。僧帽弁の逆流を伴うことが多いが、心臓が完全に腐る(壊死する)ことは比較的稀である)合併により僧帽弁前乳頭筋(僧帽弁を支えている重要な組織)が壊死したため、高度の僧帽弁逆流をきたした生後2ヶ月の赤ちゃんが当院に搬送されてきました。赤ちゃんは高度の心不全のため人工呼吸と強心剤の投与を必要としていました。

 準緊急で左冠動脈を本来の大動脈に移し替えましたが、左冠動脈と大動脈が離れていたために、肺動脈組織を用いて冠動脈を延長する手術法(スパイラル法;Kado法)を用いました。通常は僧帽弁は形成(修繕)できることが多いのですが、僧帽弁には先天性の奇形があったのに加えて、前乳頭筋が完全に壊死していたため形成することができませんでした。そこで、現在使用できる最小の人工弁(16mm)を用いて弁置換術を施行しました。

手術前に軽い心筋梗塞をおこしていたために2日間の循環補助が必要でしたが、心臓の働きは回復し、無事に退院されました。

図1;スパイラル法(Kado法)による冠動脈移植法

図1;スパイラル法(Kado法)による冠動脈移植法

図2;僧帽弁置換に用いられた最小サイズの人工弁

図2;僧帽弁置換に用いられた最小サイズの人工弁

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