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対象疾患及び手術の特色

 私どもの外科治療学教室(旧第一外科)は、外科全般にわたる治療を幅広く担当しております。臨床部門としては消化管(食道・胃・小腸・大腸)、肝胆膵、甲状腺、乳腺、肺・縦隔を含む一般外科と、先天性心疾患、後天性心疾患、大血管疾患を含む心臓血管外科に分かれて診療に当たっております。それぞれ、外科専門医と心臓血管外科専門医が個々の患者さんにあった適切な治療を提供するように努めております。

心臓血管外科:後天性心臓病

 下記疾患に対する治療を循環器内科とのカンファランスを行い、最善の治療を提供しております。近年、低侵襲手術として話題となっている大動脈瘤に対するステントグラフト手術も積極的に取り入れております。

1.心臓手術
狭心症、心筋梗塞に対する冠状動脈バイパス、弁膜症に対する手術―人工弁置換術、弁形成術、心房細動に対する手術、心膜炎、心臓腫瘍の手術

2.血管手術
胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、解離性大動脈瘤、マルファン症候群、大動脈炎症候群、ベーチェット病などの血管病変、手足の動脈閉塞に対するバイパス或いは動脈形成術、下肢静脈瘤

PDF心臓外科後天性心臓病しおり(PDF)
icon虚血性(冠動脈バイパスなど)
icon弁膜症(弁形成術、弁置換術)
icon大動脈疾患

心臓血管外科:先天性心疾患(小児グループ)

 外科治療学教室では2000年初頭より先天性心疾患の外科治療を再開し、2001年11月には教室内に先天性心臓病医学センターを発足させ、小児科、麻酔科の先生方との協力体制を築き、治療成績の向上に努めております。出生直後の新生児から成人までの幅広い年齢層の患者さんを対象とし、難しい手術にも積極的に取り組み、満足できる成績を収めております。また、心臓手術に欠かせない人工心肺の改良も積極的に行い、より低体重の1歳未満児に対しても無輸血手術あるいは最低限の輸血で手術が安全に行えるよう努力しております。

icon正常心臓
icon心房中隔欠損症
iconファロー四徴症
icon完全大血管転位
icon単心室型心疾患
icon成人先天性心疾患

消化器外科

上部消化管疾患(食道・胃・十二指腸)

食道
食道癌を中心に診ています。外来で確定診断をおこない、治療方針を決め、入院治療となることが普通です。最近は転移の診断にFDG-PETという検査を加えることもあります。食道癌の治療は基本的に手術であり、低侵襲手術としての胸腔鏡下手術を積極的に取り入れております。しかし、早期の癌には内視鏡治療をおこないますし、手術ではなく抗癌剤治療、放射線治療を併せておこなうこともあります。消化器内科医、臨床腫瘍科医とカンファランスを行い、最善の治療方法を提示しております。治療成績は手術と放射線・抗癌剤併用治療と差は無いという意見もありますが、現在は研究段階であるので、患者様と相談の上、治療法を最終的に決定しています。また、食道裂孔ヘルニア、食道アカラシア、逆流性食道炎などに対する外科治療についても消化器内科医と連携して行っております。
icon食道癌について


胃癌を中心に診ています。早期と進行で治療方針が変わります。早期胃癌でも粘膜にできた小さい癌は内視鏡で粘膜切除を消化器内科医師と相談の上おこなっています。この治療ができない早期胃癌では最大3から4cmくらいの手術創1箇所と5から12mmの創5箇所で腹腔鏡を用いた手術を1999年より積極的に導入しております。腹腔鏡手術では手術中にセンチネルリンパ節生検という手技をおこないリンパ節への転移を診断し確実な切除を目指しています。現在はまだ腹腔鏡手術の安全性を研究している段階であるので手術中にリンパ節転移が確認されれば通常の開腹手術に術式が変更することにしています。進行胃癌は開腹手術をおこない顕微鏡で転移の状態を確認し、抗癌剤治療を追加するか決めています。また、臨床試験の段階でありますが、進行胃癌の治療成績を向上させることが期待されている術前化学療法も積極的に取り入れております。手術後は胃の機能が失われるため術後の機能障害がおこります。この点については外来通院中にケアを加えていきます。
消化管GIST(胃原発が多い)に対する腹腔鏡手術も積極的に行っており、消化器内科医と連携し以前では開腹手術でしか難しかった巨大腫瘍や噴門・幽門近傍の腫瘍も腹腔鏡下で切除を行っております。また、化学的根拠に基づいた分子標的薬による治療も行っております。
icon胃癌について

下部消化管疾患

 当科では大腸がんの手術治療を主に行っています。全国有数のがん専門施設で大腸外科の研鑽を積んだ医師が在籍しており、様々な治療オプションを患者さんに提示しながら、その患者さんに最も適した治療法を一緒に考えていきます。当科では“大腸癌を上手になおす”をモットーに、腹腔鏡手術や手術支援ロボットを用いた「低侵襲手術」、肛門温存や排尿、性機能などわれわれ人間にとって大切な機能を温存する「機能温存手術」、そして通常の手術では根治が望めない進行がんに対する「拡大手術」を得意としており、その患者さんにとって最も良い手術治療を患者さんに提供する事が可能です。以下に、当科における下部消化管外科の特色を記載します。
icon大腸癌について

肝胆膵疾患

 肝臓癌,胆嚢癌,胆管癌,膵臓癌の治療を中心に行い,その他,胆石症,胆嚢ポリープ,総胆管結石症の治療も数多く行っております。肝臓癌の治療は開腹手術だけではなく,腹腔鏡下肝切除,肝動脈塞栓術,マイクロ波焼灼術,ラジオ波焼灼術と患者さんにとってどの治療法が一番適しているかを充分検討し行っております。胆石症,胆嚢ポリープは,ほぼ全例腹腔鏡下手術で行い入院期間は3~5日間,総胆管結石症も出来うる限り腹腔鏡下手術を行うこととしており,その場合の入院期間は7~10日間となっております。御質問等ございましたらご連絡ください。
icon肝臓疾患について
icon胆嚢疾患について
icon膵臓疾患について

その他の疾患

 鼠径ヘルニアは全身状態にもよりますが、手術後1-2日で退院していただくのが標準です。最短で全入院期間が3日ということになります。手術はメッシュという膜をヘルニアの脱出する部位に当てておく術式を採用しており、以前の手術に比べると術後の違和感は少なくなっています。退院後直ちに職場復帰して頂き,術後2週間で運動制限がなくなります(ゴルフもテニスもOKです)。

呼吸器外科

 呼吸器外科では肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、良性肺腫瘍、胸壁腫瘍、自然気胸、肺のう胞症、びまん性肺疾患の肺生検、肺気腫の容量減少手術、膿胸、胸部外傷、重症筋無力症に対する胸腺摘除術、手掌多汗症などの手術を行っております。
比較的早期の肺癌を含め多くの疾患に対し積極的に胸腔鏡手術を行っています。傷が小さく、痛みも軽く、早期退院、早期社会復帰が可能です。
また、多岐におよぶ手術や複雑な手術については当科(外科治療学)の心臓血管外科医、消化器外科医のみならず、他科とも連携し行っております。更に呼吸器内科、放射線科とも連携して集学的治療を行っております。
icon呼吸器外科で扱う疾患について

乳腺・甲状腺外科

乳腺疾患
  乳癌治療は最近10年間で大きく変わりました。手術において以前は乳房切除術が殆どでしたが、最近は乳房温存手術が主流となっております。現在は、センチネルリンパ節生検を行った縮小手術を標準治療としております。薬物治療においては、多くの新たな抗癌剤やホルモン剤が開発され、手術後の再発予防のための補助療法や再発後の治療に使われその有効性が科学的にも実証されています。科学的根拠に基づいた抗癌剤やホルモン剤による治療を皆さんに提示し納得の上で治療を受けて頂いております。
icon乳房の病気について
icon乳癌の検査について

PDF乳癌 Web Conferenceについて
各病院の電子カルテを直接用いることで、効率よく安全かつリアルタイムに医療情報を共有し、物理的に離れたた場所同士でカンファレンスを実施することによって、臨床の質を向上させる取り組みとして、乳癌Web Conferenceを立ち上げました。

甲状腺疾患
甲状腺外来では主に悪性腫瘍(乳頭癌、濾胞癌など)、良性腫瘍(濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫)、バセドウ病、橋本病などの甲状腺疾患と、原発性および続発性(腎性)副甲状腺機能亢進症を診療しています。検査は血中ホルモン測定と超音波および細胞診が中心です。手術は病気の根治性と術後のQOLを考慮して決定しています。また手術前後での詳細な説明と情報提供を常に心がけています。手術症例以外にも橋本病・バセドウ病などの内科的治療もおこなっています。甲状腺・副甲状腺の病気を疑われたらお気軽に受診してください。

救急外科・小児外科

小児外科
  神奈川県立こども医療センターで研修した医師に手伝ってもらいながら小児の疾患に対応しています。しかし、小児の専門の医師は現在当科に在籍していません。
現在手術はヘルニアが主です.悪性腫瘍の手術も小児科の腫瘍チームと協力しておこなっています。球状赤血球症などの疾患では脾臓摘出をおこないますが、0.5から2cmくらいの傷を4箇所につけて腹腔鏡の手術でおこなっています。今後も小児科と治療方針の意見を交換しつつ治療に当たりたいと考えております。