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消化器外科

肝臓・胆嚢・膵臓

肝臓とは?

 肝臓は人体最大の実質臓器で肋骨に隠れるように右上腹部に位置します。肝動脈と門脈で栄養される血流豊富な臓器です。消化管で吸収された栄養を蓄えたり、体内に入った毒物を解毒する作用を持っています。消化酵素(ビリルビン)や各種タンパク質を合成します。

肝機能の検査は?

 多くは一般的な血液検査で判りますが、特に肝炎,肝硬変がある患者さんや手術に際しては、肝臓の予備能が重要となってきます。肝予備能の検査では、色素を注射してその代謝能をみるICGテストが一般的です。色素注射後、5分,10分,15分で採血し、色素がどれくらい分解されているかをみます。

肝臓癌とは?

 原発性肝癌と転移性肝癌に大きく分けられます。原発性肝癌の多くは肝細胞癌で、胆管細胞癌も含まれます。転移性肝癌は大腸癌や胃癌、卵巣癌など他の臓器の癌が肝臓に転移した状態です。

肝細胞癌

 日本では肝細胞癌患者さんの70%以上がC型肝炎ウイルス、20%以上がB型肝炎ウイルス陽性といわれています。つまり肝細胞癌の大部分は、ウイルスにより肝炎や肝硬変となった肝臓から発生します。

診断

 一般的な血液検査や腫瘍マーカーを測定します。画像診断では超音波検査が最も簡便で被爆もなく第一選択です。そのほかCTやMRI(MRCP),血管造影などを組み合わせて診断します。肝硬変に伴う食道静脈瘤を調べるため、内視鏡(いわゆる胃カメラ)を行うこともあります。手術に際してはどれくらいまで肝臓を切除できるかを推定するため、前述のICGテストなど肝予備能検査を行います。

治療

 肝切除術が第一選択となります。病巣の数,大きさ,位置,重要脈管(静脈,動脈,門脈,胆管など)との関係,肝予備能などを考慮し、どれくらい切除するか(どれくらい肝臓を残すか)を決定します。同時に胆嚢も切除することもあります。
切除術以外では肝動注療法(肝動脈から抗癌剤などを注入する治療),肝動脈塞栓療法(肝動脈を詰まらせ癌の栄養供給を断つ治療),ラジオ波(マイクロ波)焼灼療法(特殊な針を刺しマイクロ波を流し腫瘍を焼く治療)などがあります。切除術と同様に病巣の数,大きさ,位置,重要脈管(静脈,動脈,門脈,胆管など)との関係,肝予備能などを考慮して治療法を決定します。

(文責:湯川)