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消化器外科 上部消化管疾患(食道・胃・十二指腸)

肝臓・胆嚢・膵臓

胆嚢とは?胆管とは?

胆嚢は肝臓の下面に位置し、胆嚢管を通じて総胆管と繋がっています。肝臓で作られた胆汁は左右の肝管を通り総胆管に流出します。胆嚢はこの胆汁を貯留、濃縮し、食事などの刺激で収縮し総胆管を経由して十二指腸に排出します。胆汁は脂肪を分解する消化酵素で、後に述べる胆石症などではあぶら分の多い食事をした後に腹痛が起きる事があります。

胆石とは?

胆石は構成成分により純コレステロ一ル石、混成石、混合石、黒色石、ビリルビンカルシウム石などに分けられます。

胆石症とは?

胆嚢や総胆管に結石ができた状態をいいます。胆石症を起こしやすい患者さんとして①②中年forty and fifty、③婦人female、④小太りfatty、⑤色白fairのいわゆる5Fがよく知られています。我が国では、胆石保有率は約10%で、症状を示さない場合もあります。主要な症状は上腹部痛(右の肋骨のやや下)、発熱で、時に黄疸を示す事もあります。

診断
超音波検査が最も簡便で被爆もなく第一選択です。そのほかCTやMRI(MRCP)、血液検査などを組み合わせて診断します。食後の上腹部痛を起こす事がある胃潰瘍などと鑑別するため、内視鏡(いわゆる胃カメラ)を行うこともあります。

治療
胆嚢結石には腹腔鏡下胆嚢摘出術を行います。臍上部(下部)、みぞおち、右側腹部に2ヵ所の計4ヵ所に小切開をし、内視鏡(腹腔鏡)で観察しながら、長細い鉗子を使って胆嚢を切除します。従来法(開腹法)に比べ術後の回復が早く入院期間が短くできます。およそ5日の入院で費用は約10~15万円です。しかし胆嚢炎を合併している場合や、以前に腹部の手術の既往があり腹腔内が癒着している場合は開腹法による胆嚢摘出術を行います。また総胆管結石では総胆管切開後、胆管結石の除去を行い、Tチュープ(Cチューブ)ドレナージを行います。原則として胆嚢も摘出します。結石の大きさや位置により腹腔鏡と開腹法を使い分けます。

胆嚢ポリープとは?

胆嚢ポリープの大部分はコレステロールポリープと呼ばれる良性腫瘍です。通常は無症状で、検診などで発見されることが多いです。小さいものは経過観察することが多いが、直径1cmを超える場合には癌の可能性もあり、積極的に胆嚢摘出術を行います。

治療
胆嚢結石と同様に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行います。癌の可能性が考えられる場合には従来法(開腹法)を行うこともあります。

胆嚢癌とは?

症状
初期のものではほとんど症状はありません。胆石症や胆嚢炎を合併している場合は上腹部痛などが出現することがあります。

診断

胆嚢の良性疾患と同様に診断の第一選択は超音波検査です。CT、MRI、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)などを行い、病気の進行度を診断染ます。腹部血管撮影などを行うこともあります。

治療

手術療法が原則です。早期の粘膜内に留まる癌では胆嚢摘出術と胆嚢管の周囲のリンパ節郭清を行います。ある程度以上に進行した癌では肝臓の一部やより広い範囲のリンパ節郭清が必要となります。

胆管癌とは?

胆管癌とは総胆管や肝管にできる癌です。

症状

黄疸がほとんどの症例で出現します。胆管が狭くなり、そこを通って十二指腸に排泄される胆汁が鬱滞して起こり、顔色や眼球が黄色味を帯びます。疼痛、全身倦怠感、食欲不振、発熱なども見られることがあります。

診断

黄疸の出現が診断のきっかけになる場合がほとんどである。血液検査、尿検査、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)も有用です。黄疸を軽減する目的を兼ねて細い管(PTCD)を体表から肝臓を経由して胆管の中に入れます。この管から造影剤を注入して胆管の狭くなっている部分を診断します。内視鏡からも胆管を造影することがあります(ERCP)。CTやMRI、腹部血管撮影で癌の進行度を診断します。

治療

できる限り病巣を含めた広範囲の胆管切除とリンパ節の郭清を行うことが望ましいです。同時に肝臓の一部切除や膵頭十二指腸切除(膵臓の頭部と胃の約半分、十二指腸を切除)が行われることもあります。 切除が困難な場合は食事や胆汁の流れを改善するバイパス手術や外瘻術などが行われます。放射線療法や化学療法(抗癌剤療法)を行うこともあります。

(文責:湯川)