乳腺良性疾患

Benign breast disease

乳腺良性疾患とは?

乳腺良性疾患は、乳房に発生する良性の病変です。代表的なものには、乳腺線維腺腫、乳腺嚢胞、乳腺過形成、乳管内乳頭腫、乳腺炎などがあります。多くは経過観察で問題ありませんが、痛みなどの症状が現れたり、悪性腫瘍との鑑別が必要となったりする場合は、詳しい検査や切除が必要となることもあります。

症状

乳腺線維腺腫や乳腺嚢胞では、乳房のしこりや痛み、圧迫感が見られることがあります。乳管内乳頭腫では、乳頭からの血性分泌が現れることがあり、早期乳癌との鑑別が必要になる場合があります。乳腺炎では、発熱や乳房の腫れ、痛みが見られ、月経周期と関連して症状が変化することもあります。

診断

マンモグラフィや超音波検査を用いて、病変の形状や内部構造を評価します。良悪性の判断が困難な場合には、細胞診や組織診を行い、詳しく調べます。

治療法

多くの場合、定期的な経過観察が行われますが、急速に増大する場合や疼痛などの症状が強い場合には、良性であっても手術を行うことがあります。乳腺炎で膿が溜まった場合には、皮膚の切開による排膿や抗菌薬の投与が必要です。

患者様へ

乳腺良性疾患は多くの場合命に関わるものではなく、定期的な検査を受けることで早期に発見が可能です。しかし、症状が持続したり、悪化したりする場合には、早めに医師に相談し、適切な検査を受けてください。

解説
  • 乳腺・甲状腺外科菅沼 伸康
  • 乳腺・甲状腺チーム