バセドウ病

Graves' disease

バセドウ病とは?

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される自己免疫疾患です。20~40代の女性に多い疾患ですが、男性や高齢者にも見られることがあります。適切な治療で症状をコントロールすることが可能です。

症状

主な症状として、動悸、疲れやすさ、体重減少、発汗過多、手指の震え、イライラ感などがあります。また、甲状腺が腫れて首が太く見えることや、目が飛び出すように見える眼球突出が見られることもあります。症状の出方には個人差があります。

診断

診断には、血液検査で甲状腺ホルモン(FT3、FT4)や甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値を測定します。また、甲状腺に対する自己抗体(TRAb)の有無や、放射性ヨウ素(またはテクネシウム)を用いての甲状腺への摂取率の検査を行い、これらの検査結果を総合的に判断して診断します。

治療法

治療には、抗甲状腺薬による薬物療法、放射性ヨウ素内用療法、外科手術があり、患者さんの症状や生活状況に応じて最適な治療法が選ばれます。
手術は最も早く確実に治療効果が得られますが、術後甲状腺ホルモン薬の服用や合併症(反回神経麻痺、副甲状腺機能低下症など)が生じるリスクがあることから、他の治療に抵抗性である場合に用いられます。

患者様へ

バセドウ病は適切な治療により症状をコントロールできる病気です。治療中はストレスを避け、バランスの取れた生活を心がけましょう。症状が改善しても、自己判断で薬を中断せず、必ず医師の指示に従ってください。不安や疑問がある場合は、医療スタッフに遠慮なくご相談ください。

解説
  • 乳腺・甲状腺外科菅沼 伸康
  • 乳腺・甲状腺チーム