さまざまな心臓病(虚血性心疾患、弁膜症、不整脈、先天性心疾患など)がありますが、すべての心臓病は病状が悪化すると最終的に心不全になります。心不全の治療は、まず心不全の原因となる元々の心臓病の治療が重要です。
当院では、各領域のスペシャリストの先生方や心臓血管外科の先生方と綿密なディスカッションをしながら、心臓ガイドラインやエビデンスに基づき、個々の症例に適した治療方針を提供するようにを心がけています。
また、入院中から退院後につなぐ、主治医、看護師、理学療法士、栄養士を中心とした心臓リハビリテーションを切れ目なくおこない、再入院や病態の進行をくい止めるべく診療を行っています。
小児から成人まで、心筋炎や心筋症などに伴う重症心不全に対しては、生命維持のために機械的補助循環(ECMO、IMPELLA)を使用した治療を、循環器内科・小児循環器科・心臓血管外科・麻酔科・集中治療部・臨床工学部センターその他関連部署と連携し、迅速かつ適切なチーム医療を行っています。
他に両心室ペーシングによる心臓再同期療法にも取り組んでいます。
また、当院では近年高齢化にともない急増している、トランスサイレチン型心アミロイドーシスの診療を行っています。
同疾患にはトランスサイレチン安定化剤が疾患進行予防に有効で、当院は2023年1月現在、神奈川県内9施設で認められているトランスサイレチン安定化薬(ビンダケル®️)導入施設(認定医師:小西正紹)の一つとなっています。心アミロイドーシス疑いで紹介受診される患者さんの中にはAL型アミロイドーシスの患者さんもおられ、そのような場合は血液内科と連携し、化学療法を行っています。