副甲状腺機能亢進症

Hyperparathyroidism

副甲状腺機能亢進症とは?

副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺が過剰に働き、副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌される病気です。副甲状腺腺腫(良性腫瘍)や副甲状腺の過形成、副甲状腺癌など副甲状腺そのものの異常による原発性副甲状腺機能亢進症と、慢性腎不全など副甲状腺以外の臓器が原因となる続発性(二次性)副甲状腺機能亢進症などがあります。

症状

症状は個人差がありますが、骨がもろくなる(骨粗しょう症)、腎結石、筋力低下、倦怠感、関節痛、頻尿、消化器症状(食欲不振や便秘)などが見られることがあります。症状が進行すると、骨折や重篤な腎機能障害が起こることもあります。

診断

血液検査で高カルシウム血症や副甲状腺ホルモン(PTH)の高値が認められる場合に疑われます。さらに、尿検査でカルシウム排泄量を調べたり、超音波検査やCT、副甲状腺シンチグラムなどで副甲状腺の異常を確認したりします。骨密度検査や腎機能の評価も併せて行われます。

治療法

治療は原因に応じて異なります。
原発性の場合は、腺腫や過形成の部分を手術で摘出することが一般的です。続発性の場合は、慢性腎不全の治療やビタミンD製剤、カルシウム受容体作動薬などを用いて症状をコントロールしますが、困難な場合院は手術が行われることもあります。軽度の場合は経過観察が選択されることもあります。

患者様へ

副甲状腺機能亢進症は、早期発見と適切な治療により、長期罹患により引き起こされる様々な合併症を予防することができます。
医師の指示に基づき、経過観察や治療を継続することが大切です。不安な点があれば、遠慮なくご相談ください。

解説
  • 乳腺・甲状腺外科菅沼 伸康
  • 乳腺・甲状腺チーム