胃がん

Stomach Cancer

胃癌とは?

胃癌は、胃の内側から発生する悪性の腫瘍(しゅよう)です。胃は、食べ物を消化するための重要な器官で、食道と十二指腸の間に位置しています。胃癌は、胃の内壁にある細胞が異常に増殖して腫瘍を形成し、次第に周囲の組織に広がっていく病気です。

消化器・一般外科前澤 幸男

胃がんの症状

初期の胃癌はほとんど症状がないことが多いですが、進行するにつれて次のような症状が現れることがあります。

  • 上腹部の痛みや不快感
  • 食欲不振や体重減少
  • 吐き気や嘔吐(おうと)
  • 胃の膨満感(ふくまんかん)
  • 黒い便(消化血液が原因)

診断方法

胃癌の診断には、以下のような検査が用いられます。

  • 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ):胃の内壁を直接見ることができる検査です。
  • 組織生検(そしきせいけん):内視鏡検査で採取した組織を顕微鏡で調べる検査です。
  • 胃のX線検査:バリウムを飲んで癌の場所や胃の形などを確認する検査です。
  • CT検査:リンパ節転移など、癌の広がりなどを調べるために用いられます。

胃癌に対する手術

胃癌の治療法は、癌のステージや患者さんの健康状態によって異なります。癌の位置やステージによって手術方法が選択されます。

  • 胃全摘
  • 幽門側胃切除
  • 噴門側胃切除
  • 幽門保存幽門側胃切除
  • 胃局所切除
機能温存

胃切除後には体重が10−20%減少することが知られています。特に胃全摘術を行った患者さんでは、術後の食事摂取量が減ることなどにより、胃を残す手術を行った患者さんに比べ、体重の減少が多く、日常生活の質に影響すると報告されています。これらの術後デメリットを鑑みて当科では、なるべく切除範囲を縮小することにより、胃の機能を温存することを心がけています。従来は胃全摘術が行われた病変に対して、胃亜全摘術や噴門側胃切除術を選択することで、胃を温存することが可能となっています。

手術アプローチ

当科では、胃で取得した内視鏡外科技術認定医を複数名有しており、早期胃癌だけでなく進行胃癌に対してもロボット支援下手術を含めた腹腔鏡手術を積極的に行っています。腹腔鏡下手術は、創が小さいだけでなく、細かい手術操作が可能であることから、患者さんの身体への負担が少ない方法とされています。

補助化学療法

術後の病理組織学的ステージ(進行度)によっては、再発予防を目的とした化学療法を行うことがあります。

当科で治療をご希望の方は、お気軽にご相談ください。当科の専門医が患者さんと共に治療方針を決定し、最新かつ最良の医療を提供できるよう尽力いたします。